今回は「人間の器」をご紹介いたします。
目次
作者紹介
丹羽宇一郎(にわ・ういちろう)氏
1939年生まれ。名古屋大学法学部を卒業後、伊藤忠商事に入社。98年に社長に就任すると、約4000億円の不良債権を一括で処理し、同社の業績をV字回復させる。2010年、中華人民共和国特命全権大使に就任する。現在、公益社団法人日中友好協会会長、グローバルビジネス学会会長などをつとめる。
本の内容
「器が大きい人」というと、どんな人をイメージするだろうか。著者は「自分に何の利益がなくとも、他人のために行動できる人」だという。
私欲を封印し、他人のために何かを成すのは、そう簡単ではない。
器を大きくしようと無理をすると、かえって器は小さくなってしまう。
ならば、どうすればいいのか?
「自分にしかできないことを、やる」「何が起きても〈それがベスト〉と考える」「ときに積極的に諦める」等々、
本当の意味で器を大きくするための心のありようや生き方について書かれた本。
書評
この本は大きく4つの章で構成されています。
第1章 「人間力」を高める
第2章 「人間の器」は仕事で変わる
第3章 老年をいかに生きるか
第4章 自分の「善なる部分」を生かす
この中から第3章の部分をご紹介したいと思います。
本来であれば、人生をより経験した私のような若輩の人間が読む部分ではないとおもいましたが、内容が逆説的に老年から見た若い人という視点で見え、より自分の心に刺さったため、これを引用したいと思います。
以下、本文、一部抜粋
「なぜ日本の若者は自己肯定感が低く、自信がないのか?
これは家庭や学校における教育に何らかの問題があると言うことでしょう。大きな理由として考えられるのは、決まった答えを押し付けるばかりで、自由な発想を阻害する教育が行われていることではないでしょうか。」
「面白いのは仕事や人生には旬がいくつもあると言うことです」
「運とか運命といったものはある程度自分の努力によって作られるものだということです。
「もう歳だから、運が舞い込むなんて期待できないよ、、」なんて言っている人には当然訪れるはずもないですが、いくつになっても好奇心を持ってアンテナを高く張っている人には、次々と面白そうな運や縁が舞い込んできます。」
前後の章や文脈により、感じ方は大きく変わるとは思いますが、
私としては、やらずに決めつけて、実際にはやることなく終わる事が多い
決まった答えがあると思い、自由な発想すらせず、やらない
など、行動しないことにより、経験が足らない、
できないとあきらめて、チャンスを逃すことにより、運をつかむどころか作り出すことすらできない
と書かれているのではと感じました。
本書の言っている意味を取り違えているとしたら申し訳ない限りですが、
運や運命は努力である程度作られるもの、いくつになっても好奇心のアンテナを張っているひとには運や縁が舞い込んでくるということから、
行動することで道は開けると感じました。
失敗することも経験であり、そこから学び次の成功をつかむきっかけになるかもしれません。
このきっかけもまた、行動したから得ることであると考えると、何もしないことがもったいない、何かすることで変わると信じ、行動を続けることは意味があると感じる言葉でした。
この行動が周り巡り、誰かのためになっているとすれば、それもひょっとしたら、人間の器の大きさと大きくなるための要素になるのではないかとも考えました。
どの章そうですが、特に考えさせられる内容でした。
まとめ
色々な本を勝手に書評を書いているが、非常に興味があり、私自身大変知りたいと思った、人間としての器について、書かれている本でした。
一方で、非常に恐れ多いと思いながら、書評を書いている自分がいるほどに、内容がすごい、語弊を恐れず書けば畏怖すら感じます。
最初にかきましたが、人間の器とは「自分に何の利益がなくとも、他人のために行動できる人」
これそのものか、これをもって人を図るのかにより、意味は変わるかもしれないが、それでも非常に得心のいく内容でした。
私は安易に行動することと、結論づけてしまいましたが、この本には当然別の答えがあるはずです。
ぜひ、一読していただきたい、あなたの人生を変える内容が見つかるはずです。
以上