今回は「日本一カンタンな「投資」と「お金」の本」をご紹介致します。
目次
作者紹介
中桐 啓貴 氏
兵庫県出身。
1997年「最後の新入社員」として入社した山一證券の倒産を経て、メリルリンチ日本証券で富裕層向け資産運用コンサルタンティングに従事。
その後米国大学院でMBAを取得中、人々を幸せにしている現地のファイナンシャルアドバイザーの姿に衝撃を受け、日本でも同様のサービスを根付かせようと決意。2006年に「銀行でも証券会社でもない資産運用のパートナー」として設立したGAIAでは、これまで1万件を超える資産運用アドバイスを行う。
金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)の先駆けとして、テレビ番組の他、日本経済新聞などでもコメントを寄せる。主著に『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方』(クロスメディア・パブリッシング)や『損しない投資信託』(朝日新書)があり、累計部数は10万部を超える著作をもつ、まさにお金のプロの名にふさわしい方。
本の内容
本書は、ファイナンシャルアドバイザーとして、
1万件を超える資産運用アドバイスを行ってきた著者が、
「お金を増やす極意」をわかりやすく解説しました。
極意といっても、難しい方法ではありません。
むしろ誰でも始められるカンタンなやり方です。
しかし、途中で挫折してしまう人が多いのが問題でした。
せっかくいい方法なのに、なぜ続けられないのか、
どうすれば続けられて、想像以上の大きなリターンを得られるようになるのか。
それを教えてくれる本です。
書評
それでは、この本から、ポイントをピックアップしてご紹介したいと思います。
お金を増やすための投資というものについて、ぜひ少しでも知っていただければと思います。
1. 投資とギャンブルは違う
作者は、投資で儲けるために、まず知っておきたいことをあげています。それが「投資とギャンブの違いについて」です。
一般的に投資は「ギャンブルのようなもの」といったイメージが先行します。しかし、投資とギャンブルは似ても似つかないものです。
そもそもギャンブルとは、誰かが得をすれば誰かが損をするといった「ゼロサムゲーム」のことをいいます。(FXのようにそのようなゼロサムゲームとも呼べるハイリスクな投資は一部あります。)投資はゼロサムゲームではなく、プラスサムともいえるべきものであることを教えてくれます。
競馬や宝くじなどのギャンブルは、掛け金を集めて、集めた掛け金から経費や税金などを引き、残ったお金で分配するゲームです。その上で、胴元がお金を取ってから分配するため、どうしても胴元は儲かっても、参加者は儲かりにくいという特性があります。
一方で「投資」は、皆が得する「ビジネスモデル」を指します。投資した資金は企業の事業に投じられ、企業活動を通して利益を生みます。利益が出れば、投資家は配当や株価の値上がり益を得ることができます。さらに、投資された会社は利益を上げようと努力し、それによって企業間の競争が活発化します。利益を得るという点において、ここを中心にお金が回るようになり、経済の発展から我々の生活の発展につながるものであると感じるものです。
投資した事業が成功すれば、社会が必要としているサービスが提供され、雇用を生み、国の税収が増えるのです。つまり、投資とは、わたしたちの社会を「豊かにするための行為」と言っても過言ではないのです。ギャンブルが自分のためにお金を投じる行為に対して、投資とは他人のためにお金を投じる行為であることから、目的が180度違ったものだったのです。
投資とギャンブルは全くの別物です。
やったことのない人に理解を求めるのは難しいことですが、ぜひとも国債を買うことからでも投資の世界に飛び込んでほしいと読んでいて感じました。
2. なぜ長期投資がいいのか?
本書は世界株式に長期投資することすすめています。
なぜ長期投資がいいのでしょうか?その理由は、長く投資すればするほどお金は大きく、安定的に殖えていくからです。
それを証明するものとして、1989年から2017年の間で世界の株式に投資した人は、資産が約15倍にも殖えました。米国株に関して言えば、過去20年間で3倍にもなっており、200年のスパンで見ると、なんと1ドルが60万ドルにもなったのです。つまり、長期投資を目的としただけで、大きなリターンを手にすることができたのです。
このような、データがでてきたことからも、投資というのは、お金が欲しい人にとって、必要なものだといえます。
ではなぜ、このようなたった1ドルが60万ドルに化けてしまう現象が起こっているのか?
その源にあるのが「資本主義」です。
資本主義とは、理想や理念ではなく、現実に対する本音の欲求が生み育てた仕組みなので、生命力が強いです。いわば人間の欲がある限り、成長は止まらないのです。
では、この資本主義を支えるものとは一体何か?それが「経済行為の自由」と「生産財と財産を個人で所有できる」の2つです。
「経済行為の自由」とは、お金を稼ぐために起業するのか、会社に勤めるのか、またはどんな職業に就くかを、自分の意思で自由に決められることです。
「生産財と財産を個人で所有できる」とは、自分の好きな職業に就いて稼いだお金を、自由に使えることです。貯金したり、投資したり、ビジネスに回したりと自由に所有することができます。これら資本主義の自由によって、長期的に伸びていく現象が起こったのです。
3. ネガティブな心理を知っておく
ただ、投資が必ず、だれにも成功するかというとそれは違います。これは投資だからではなく、何事においても失敗することがあるという意味においてもそうなのですが、本書では、一方で失敗する人の要因を特徴として教えてくれます。それは、最大の皮肉に感じました。
投資を失敗してしまう人の特徴として、「投資をやめてしまうこと」があげられます。何事においてもそうですが、継続は力、これは投資にも当てはまります。そして失敗から人は学びます。
作者の算出によれば、積み立て投資の平均継続期間は、たったの2~4年であり、順調に増えているのにも関わらず、手放してしまう人が大半なのです。(長期投資の手法で、一旦の利確からの再分配の方法もあります、ただ、今回お伝えしたいのはこれとは別になります。)
そこには一体、どんな心理があるのでしょうか?それが「損失を減らしたいからリスクを取る」といったものです。一見、矛盾しているようですが人間は時に、こうした判断もできなくなる状況があるのです。これは「プロスペクト理論」と呼ばれています。
例えば、「Aという仕事では確実に25万円もらえる」「Bという仕事では50%の確率で50万円もらえる」といった選択肢があるとします。
多くの人は、確実にもらえるAを選びます。しかし実際の確率では、Aは文字通り25万円。Bは50万円÷50%=25万円と、Aと同じく25万円と同じだったのです。さらにこんな場面。「Aというクジでは確実に1万円損をする」「Bというクジでは、50%の確率で2万円損をする」といった選択では、多くの人はBを選びます。確実に損をするのは嫌なのです。
このように、人は利益を得られる場面では、リスクを回避して確実に手に入れる選択をし、損失を被る場面では、損失を回避するようにリスクをとってしまうといった心理があったのです。この利益より損失を大きく評価してしまう心理により、「損失を減らしたいからリスクを取る」といった行動に陥ってしまうのです。この心理が働けば、リスクを取ることが難しくなり、長期投資の手枷足枷となってしまうのです。
まとめ
今回は投資の中身も載っている本ですが、その前提の投資をしたことのない人に向けて、投資はギャンブルとは違うということを1番に書かせてもらいました。
私も投資の話を振られ、話をする際の中で、ギャンブルという話題が出ます。これはもうしょうがないのですが、やはり経験してもらわないとこのある意味本質的な部分を理解してもらうのは難しいと感じました。それでも書かざるを得ない内容でした。そして、これは、私の知る中でわかりやすい伝え方です。ちなみにギャンブルが悪いわけでもなくゼロサムゲームもリスクが高いだけなのですが、それでも投資は投資というものであり知らない人にぜひとも知ってほしいことです。少なくとも私は投資によって救われたからこそ、知ってほしいです。
そして、投資で一番成功する確率が高く、リスクが低いのが、私はインデックス投資であり、長期投資であるということだと私も本を読んで共感したため、なぜそこなのかを書きました。
ちなみに、この本にはより具体的に、どの商品を買うのが良いかまで、かかれているため、リスクを知り、自分の意思でできる人は、ぜひともこの本を読んでほしいです。
この本に書いてある通りにやれば、勝てる確率は極めて高いと思います。
もし、あなたが上での件で悩み、何もしてないのでは、まずは読んでみてください。1億円というものが絵空事ではなくなると思います。
ぜひご一読してみてください。
それでは