今回は「真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか」をご紹介したいと思います。
今回は、この本から色々と学ぶことがあるのですが、
その中でも、私が一番大事と感じたこと、
真実の瞬間とは何かを書いていきたいと思います。
ちなみに答えは、
サービスマンが顧客と接した15秒間で、その企業価値が決まる事
この15秒間を真実の瞬間というようです。
詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、
その前に、真実の瞬間について簡単にまとめてみたので、ぜひご一読いただければ幸いです。
目次
作者紹介
ヤン・カールソン
本の内容
顧客と市場が経済活動を主導する時代が到来しつつある。航空運輸、自動車、半導体、金融サービスといった分野で、賢い消費者と新たな競走相手が、旧態依然とした企業に圧力を加えている。市場が先導するこの転換期に対処するには、組織・機構の変革が、つまり「顧客本位の企業」につくり替えることが必要だ。現場から隔絶した、統制的な上意下達のリーダーシップでは、企業は生き残れない。
この本は1990年、今から約30年前に書かれた本です。
その本の内容が現代おいても役立ちます。この本ではSASの再建ということを書いた本ですが、その歴史的な流れを読むのとともに、サービスとは、顧客とはという点を考えさせられる本になります。
サービス業の方だけでなく、顧客がいるすべての人に今だからこそ読んでほしい本になります。
真実の瞬間とは?
この本からいくつかのポイントを抜粋して紹介したいと思います。
真実の瞬間とは?
顧客が満足を感じる瞬間はいつなのか?
という問に対する経営学の研究の成果に「真実の瞬間」という考え方があるようです。では、この真実の瞬間とは一体何なのでしょうか。今回はこの言葉について解説します。
真実の瞬間の本来の意味
提唱者は航空業界の最年少CEO
「真実の瞬間」は元々闘牛の用語で、「闘牛士が闘牛のとどめを刺す瞬間」を表していました。
この言葉をビジネス用語として初めて使ったのは、1981年にスカンジナビア航空のCEOに就任し、赤字で苦しんでいた同社をたったの1年で立て直したヤン・カールソンという人物です。
真実の瞬間とは15秒のこと
この本はSASの再建について書かれた本でもあります。その中で、この航空会社で働く人の話が良く出てきます。その一説にこんなことがあります。
サービススタッフが航空機を利用する顧客と実際に直接関わる時間はたったの15秒しかない。
ヤン・カールソンが提示した真実の瞬間とは、この15秒の事をさします。つまり、一見航空機を利用する顧客はフライト時間の間ずっと消費体験をしていると思われますが、実際の顧客満足度を左右するのは直接スタッフと向き合っている15秒に集約されるという考え方です。
つまり、真実の瞬間とはこの15秒間でいかに顧客満足を高められるか、というものになります。
まとめ
あくまでも、本から学べるごく一部の話をご紹介をさせていただきました。
このことは、サービス業を中心としたお客様と直接、接する職業全般に言えることだと思います。これは、店頭販売をしている小売りも、一部飲食ですら該当するのではと、思います。
顧客満足を左右するのは、実は全体のほんの一部の瞬間だけである。という何ともショックな内容です。ただ、逆に言えば、この部分を抑えることは非常に重要であるとも取れます。
それゆえに、どれだけコツコツと顧客体験を積み上げてきたとしても、最も重要な瞬間に不満を覚えてしまっては意味がない。ということさえおきます。
顧客と自社にとって一番大切な「瞬間に」顧客に感動を与えることができているのか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
これ以外にも非常に学ぶことが多い書籍です。
そこに、あなたの本当に欲しいもののヒントと対策があると思います。
ぜひご一読いただければ幸いです。
それでは